個人情報の適正な取扱いを
平成17年4月より個人情報保護法等が全面施行されました。これにより、個人情報保護に関する意識が高まるとともに、事業者の取り組みも進んできている一方、依然として個人情報漏えい事案が発生しています。また、法律に対する誤解等から、必要とされる個人情報の提供までもが行われなかったり、各種名簿の作成が中止されたりするなど、「過剰反応」と言われる状況も一部に見られるようです。
次を参考に、個人情報の適正な取り扱いをお願いいたします。
名簿の作成・配布について
個人情報保護法においては、以下のいずれかの手続きを行えば、学校や地域社会での名簿の作成・配布ができます。
1 あらかじめ本人の同意を得る
例)学校でクラス名簿や緊急連絡網などを作成・配布する場合
入学時や新学期の開始時に、「生徒の氏名・住所など学校が取得した個人情報については、クラス名簿や緊急連絡網として関係者へ配布する」ことを記入し、所定の用紙に個人情報を記入、提出していただく。
(注意)全員の同意を取れなかった場合も、同意を得ることができた人のみを掲載した名簿の作成・配布はできます。
2 同意に代わる措置を取る
例)学校でクラス名簿や緊急連絡網などを作成・配布する場合
緊急連絡網等として配布すること、名簿の内容(例 氏名・住所・電話番号)、提供の方法(例 関係者へ配布する)また、本人の求めにより名簿から削除することについて、
- 本人に郵便、電話、電子メール等で通知する。
- 事務所の窓口への掲示・備付け、ホームページへの掲載等によって、本人が容易に知ることができる状態に置く。
の、いずれかの措置を取った上で、名簿を配布します。
(注意)この際、本人からの求めがあった場合には、名簿から削除しなければいけません。
名簿等を各家庭等へ配付する時の安全管理への配慮としては、例えば次のような留意事項を明記することにより個人情報の保護を求めることが考えられます。
- 名簿等に記載された個人データは個人情報保護法によって保護される対象であり慎重に取扱われるべきものであること
- 名簿等に含まれる個人データをむやみに第三者へ公表・開示したり、不当な目的に利用させたりしないこと
- 名簿等を破棄する場合は、適切・確実に行うこと
- 名簿等の複写および複製を禁じること
通知記載例
いただいた皆さんの個人情報は適切に管理し、クラスの活動や緊急連絡網に利用いたします。配布されたクラス名簿は適切に利用していただき、利用目的の終了後は確実に破棄していただきますようお願い致します。
本人からの同意を得なくても個人情報を提供できる場合
例外として本人から同意を得なくても、本人以外の者に個人情報を提供することができます。
「法令に基づく場合」に関する例外に該当
- 例)弁護士会から、振込め詐欺に関連し、銀行に対して、弁護士法に基づく所要の弁護士会照会があった場合。
- 例)警察や検察等から、刑事訴訟法に基づく捜査関係事項照会があった場合。
「人の生命、身体または財産の保護に必要な場合」に関する例外に該当
- 例)製品に重大な欠陥があるような緊急時に、メーカーから家電販売店に対して、顧客情報の提供依頼があった場合。
- 例)大規模災害や事故等の緊急時に、患者の家族等から医療機関等に、患者に関する情報提供依頼があった場合。
「公衆衛生・児童の健全育成に特に必要な場合」に関する例外に該当
例)地域がん登録事業において、地方公共団体から医療機関に対して、がんの診療情報の提供依頼があった場合。
「国等に協力する場合」に関する例外に該当
例)税務署等から事業者に対して、任意の顧客情報の提供依頼があった場合
個人情報に関する苦情相談等
独立行政法人国民生活センター(相談調査部)電話03-5475-3711までお問い合わせいただくか、地域企画係までお願いします。
(注意)独立行政法人国民生活センター:個人情報に関する相談を専門の相談員が受け付けている独立行政法人です。
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更新日:2023年03月31日