津金寺妙見堂(つがねじみょうけんどう)
鞘堂(さやどう)の中にある本殿は、側面から見ると屋根が「へ」の字の形をしています。この形式を流れ造りといい、本殿では最も多い形式です。この正面に湾曲した軒唐破風(のきからはふ)という屋根を付けたり、建物の至る所に彫刻が施されており、江戸後期の特色がよく表れています。
この建物は、天保7年(1836年)に、立川流(たてかわりゅう)二代目・和四郎富昌(わしろうとみまさ)と地元茂田井(もたい)の田中円蔵(えんぞう)によって建てられました。立川富昌は諏訪(すわ)大社上社本宮(かみしゃほんみや)拝殿・弊殿(へいでん)(重要文化財)など長野県内外に多くの作品を残した諏訪の名工でした。
本殿の彫刻を見ると、縁(えん)の下には兎(うさぎ)・唐獅子(からじし)・山羊(やぎ)・麒麟(きりん)・犬など、階段下には鯉(こい)・千鳥(ちどり)などがはめられています。立川流の特色が最も表れているのは、向拝(ごはい)と母屋(おもや)のつなぎに龍の彫刻を用い、軒唐破風内部に「打出(うちで)の小槌(こづち)」巾着(きんちゃく)袋などの「宝尽(づ)くし」の彫刻をいれていることで、これは立川富昌の多くの作品に共通する特色です。
地図
所在:立科町大字山部279-1
佐久方面より国道142号線バイパス山部交差点を右折し200メートル
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更新日:2023年03月31日