津金寺観音堂
観音堂は、正面・側面に円柱が四本立つ方三間堂(ほうさんげんどう)という形式で、屋根は入母屋造(いりもやづく)り、銅板葺き(もとは茅葺き(かやぶき)です。
この建物は江戸時代中期の元禄15年(1702年)再建されたものですが、向拝(ごはい)を設けず、内部に来迎柱(らいごうばしら)と呼ばれる円柱を立てるなど、中世以来の仏堂形式を踏襲(とうしゅう)しています。しかし、柱が細長く、全体に背丈が高くなっている所は、近世の特色といえましょう。この観音堂を建てた大工は不明ですが、部材の形や絵様(えよう)などから、佐久郡下の工匠(こうしょう)によって建てられたものと推定されます。
内部の天井は格天井(ごうてんじょう)で、板には花鳥画が描かれています。この絵は松本藩水野家浪人の絵師によって宝暦3年(1753年)に描かれたものです。
堂内には三基の宮殿(くうでん)があり、中央が本尊をまつる宮殿です。この宮殿は全体が漆(うるし)塗りされた華麗なもので、柱の上部にある朱塗りされた複雑な組物(くみもの)が目を引きます。両脇の宮殿は、江戸後期に作られたもので、諏訪の工匠による繊細な彫刻が細部に施されています。
地図
所在:立科町大字山部279-1
佐久方面より国道142号線バイパス山部交差点を右折し200メートル
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更新日:2023年03月31日