松くい虫被害ってなに?
正式名称→マツ材線虫病
「松くい虫」という名の虫は存在しません。松くい虫被害の正式な名称は、「マツ材線虫病」と呼ばれるマツの強力な伝染病です。松を枯らす直接の犯人(病原体)は「マツノザイセンチュウ」と呼ばれる線虫であり、これを病気にかかったマツから健全なマツに媒介する運び屋(媒介昆虫)が「マツノマダラカミキリ」です。これらの共同作業によってマツ枯れが発生し、まん延するわけです。
病原体→マツノザイセンチュウ
長さ1ミリメートル足らずの小さな線虫がマツの材内に侵入して爆発的に増殖し、マツは水を吸い上げなくなるため木が枯れます。マツノマダラカミキリの体内に潜入していたマツノザイセンチュウは、カミキリが健全なマツの小枝の皮をかじるときに、その傷口からマツの材内に侵入します。
媒介昆虫→マツノマダラカミキリ
体長3センチメートルほどのカミキリムシの一種で、健全なマツでは繁殖できず、成虫は枯れたマツや弱ったマツ(松くい虫被害、風倒、雪害などの被害木)の樹皮の下に9月頃産卵します。
幼虫は、材の中で越冬し、翌年の6月~8月(一部は翌々年)に成虫になって木から飛び出し、9月頃まで健全なマツの小枝の樹皮を食べ、健全なマツへマツノザイセンチュウを次から次へと媒介し(運び)ます。
- 羽化脱出
マツノマダラカミキリが羽化・脱出(マツノザイゼンチュウを運ぶ) - 後食・感染
マツノマダラカミキリが小枝を食べる(後食)(マツノザイゼンチュウが侵入) - 発病
マツが衰弱(マツノザイゼンチュウが増加し、マツの生理異常をもたらす) - 産卵・ふ化
マツノマダラカミキリが衰弱したマツに産卵、幼虫のふ化(マツノザイゼンチュウがマツ内に広がる) - 越冬・蛹化
マツノマダラカミキリの幼虫が蛹化(マツノザイゼンチュウがカミキリ体内に移動)
松を守るために皆さんにお願い!
松林の手入れをしましょう!
間伐や除伐など、アカマツ林の手入れをしないと、立枯れ木や衰弱木ができ、マツノマダラカミキリの巣(産卵木)になりやすいので、手入れをよくして健全な松林を育てましょう。
枯れ木等の処理をしましょう!
立ち枯れた松や衰弱した松がカミキリの巣になります。周りにある健全な松を守るために、切り倒して適切な処理をお願いします。
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更新日:2023年03月31日